【 二人旅 NY編 vol.06 】 宝星の光。

  

 

「ナーン ツィゴンニャーーー!! 

 ババギー、チババーー!!!」

 

 

 

聴きなれないカタカナの羅列。

 

 

ミュージカル ”ライオンキング” の始まりの言葉で

  

『 父なるライオンがやってきた! 』

を 意味します。

  

 

 

 

昨年の末ごろ、

ライオンキングのオープニングを家族で観ました。

 

 

  

動物好きな子供たちといると、飛び石のように

ネット上の動物関連の映像を観て回るものですから、

今となってはきっかけも思い出せないのですが、

とにかく

何度も繰り返したことは 確かです。

 

  

 

 

呪術師のマントヒヒの掛け声に震えました。

ゆっくりと歩を進めるキリンの登場に息をのみました。

 

 

”信仰” が概念化される遥か昔より崇められてきた

“太陽” がゆっくりと空に上がり、

その宝星の光を浴びて

動物が新しい生命の誕生を

喜び、讃えあう。

 

 

 

 

画面のオレンジの世界に釘付けになりました。

 

 

  

そして、演者へ贈る観客の澄んだ賞賛が生まれます。

  

 

  

 

  

  

 

大して考えもせず、

この2者間の空気を体感させたい と思いました。

 

 

  

観るだけでなく 聴くだけでなく、

五感と、できるならそれ以上の感覚も使って

感じさせるべきだ と思いました。

    

    

この時の

直感と衝動が

今回の渡米の

最初のきっかけです。

  

 

 

 

 

当日は 朝から雨が降っており

この旅で一番 寒い日でした。

 

 

 

開演に遅れそうになりながら

博物館からたどり着いた列の最後尾で、

小雨の中 待ちました。

 

 

 

 

 

 真っ白いレインコートの中で、

何を想ったかなあ。

 

 

 

 

 

扉が開いて

アルファベットと数字の組み合わせを鍵に

スタッフさんを道標に、

席までたどり着きました。

 

 

 

 

 

  

ほどなくして

たぶんyoutubeで観たあの人が

マントヒヒ姿で現れ

目の前で

おおきく 声をあげました。

 

 

 

 

 

「ナーン ツィゴンニャーーー!! 

 ババギー、チババーー!!!」

と。

 

 

 

 

夕日を背に キリンが あらわれます。

脇からゾウがステージに向かいます。

 

 

  

安堵の瞬間でした。

 

この辺りから記憶がぼんやりしています。

 

 

旅中、おおきなハードルもあって、

 

二人元気でこの場所にいることが

おおきな目標になっていたので

 

ふっと気が抜けたのだと思います。

 

 

  

   

この星のすべての生き物が共感できる

”生への喜び” の蓋が開いたような…

 

感動が、素粒子レベルで身体中の

細胞まで染み込んでいくような

はじまりの瞬間と、

 

次のシーンのネタバレをする

一生懸命な愛娘の声が、

 

この日 得た

大切で忘れらない

想い出です。

 

 

 

 

 

 

 

以上、

アメリカ五日目のブログでした。